失業保険コラムColumn
2026.08.15
自己都合退職のデメリット7つと損しないための対策
「自己都合で辞めるつもりだけど、失業保険ってすぐもらえないんですよね…?」退職を考えはじめた方から、よく聞かれる不安です。上司との関係、業務量、キャリアの停滞。辞めたい理由は人それぞれですが、いざ調べはじめると「自己都合だと損をする」という情報ばかりが目に入って、動けなくなってしまう方も少なくありません。
結論からお伝えすると、自己都合退職には給付の開始が遅くなる、受け取れる期間が短くなる傾向がある、社会保険料や住民税を自分で負担する期間が生まれるといったデメリットがあります。ただし、これらは事前に知っておけば、ある程度は備えられるものでもあります。
この記事では、自己都合退職で生じやすいデメリットを、お金・期間・手続きの観点から整理し、退職前に確認しておきたいポイントや、会社都合に近い扱いになることがあるケースまでわかりやすく解説します。
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目次
結論:自己都合退職の最大のデメリットは「無収入期間の長さ」です
自己都合退職で最も大きな負担になりやすいのは、退職してから失業給付が実際に振り込まれるまでに、収入のない期間が生まれることです。会社都合の場合と比べて待期のあとに給付制限期間が設けられるため、手元にお金が入るまでの時間差が大きくなる傾向があります。その間も社会保険料や住民税の支払いは続くため、貯蓄を取り崩す形になりやすいのです。
逆にいえば、退職前に必要な生活費と入金時期のズレを把握しておけば、慌てずに次を探せます。まずは以下を手元の書類で確かめておくと安心です。
📌 確認したいポイント
デメリット1:給付が始まるまでに待つ期間があります
自己都合退職の場合、ハローワークで手続きをしてから待期期間があり、そのうえで一定の給付制限期間を経てから支給が始まる扱いとなることが一般的です。会社都合など特定受給資格者に当たる場合は、この給付制限が設けられないため、同じ日に退職しても入金時期に差が出ることがあります。
具体的にどこが違うのか、主な項目を並べて見比べてみましょう。
📊 自己都合と会社都合の主な違い
| 項目 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
|---|---|---|
| 給付制限 | 待期後に給付制限が設けられることがあります | 給付制限は設けられません |
| 受給できる日数 | 短めに設定される傾向があります | 長めに設定されることがあります |
| 必要な加入期間 | 会社都合より長めに求められる傾向 | 短い加入期間でも対象になる場合あり |
| 国民健康保険の軽減 | 対象外となることが多いです | 軽減措置の対象になる場合あり |
※自治体・控除内容・家族構成により変動します。あくまで目安です。
⚠️ 注意:給付制限の期間は退職日からではなく、ハローワークでの手続き日を起点に数えるのが原則です。退職後に申請を後回しにすると、その分だけ入金も後ろにずれていきます。
デメリット2:受け取れる総額が少なくなることがあります
失業給付の総額は、大まかにいえば「基本手当の日額 × 所定給付日数」で決まります。自己都合退職では所定給付日数が会社都合より短く設定される傾向があるため、同じ給与水準・同じ勤続年数でも、受け取れる総額に差が生まれることがあります。
勤続年数が短い場合
雇用保険の加入期間が短いうちに自己都合で辞めると、そもそも受給の要件を満たさない可能性があります。転職して1年経たないうちに再び辞めるようなケースでは、前職の加入期間を通算できるかどうかが分かれ目になることがあるため、離職票や被保険者証で加入履歴を確認しておくと安心です。
勤続年数が長い場合
長く働いた方は日数が増えることもありますが、それでも会社都合と比べると差が残るケースがあります。加えて、給付を受けている間はアルバイト収入の申告が必要になったり、働いた日数によって支給が繰り延べられたりすることもあるため、収入計画は余裕をもって立てておくのがおすすめです。
📌 総額に影響しやすい要素
デメリット3:社会保険料と税金の自己負担が重くのしかかります
在職中は会社が半分負担していた健康保険料や年金保険料も、退職後は原則として全額を自分で納めることになります。さらに住民税は前年の所得に対して課税される仕組みのため、収入が途絶えた後にまとまった納付書が届き、想定外の出費として感じられることが少なくありません。自己都合退職では国民健康保険料の軽減措置の対象にならないことが多く、この負担がそのまま残りやすい点も見落としがちです。
退職前に済ませておくと後がぐっと楽になる手順を、順番に挙げておきます。
📋 退職前にやっておきたい3ステップ
給与明細で健康保険料・年金保険料の会社負担分を確認し、退職後の概算を出しておく
任意継続と国民健康保険のどちらが安いか、加入先の窓口で見積もりを聞いておく
住民税の残額と納付予定月を控え、無収入期間の生活費と合わせて資金計画を立てる
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デメリット4:自己都合でも扱いが変わることがあります
退職届に「自己都合」と書いたからといって、必ず自己都合として処理されるとは限りません。実際には会社側の事情や労働環境が原因で辞めざるを得なかった場合、ハローワークの判断で特定受給資格者や特定理由離職者として扱われ、給付制限が付かないことがあります。ここを知らずに手続きを終えてしまうと、本来より遅く・少なく受け取ることになりかねません。
⚠️ 重要:残業時間が過大だった、給与が大幅に下がった、体調やご家族の介護でやむを得なかったなどの事情がある場合は、離職票の離職理由を鵜呑みにせず、ハローワークの窓口で事情を伝えて相談してみることをおすすめします。
相談時に事情を裏づける資料があると、話がスムーズに進みやすくなります。退職前に手元に残しておくとよいものを整理しました。
📌 在職中に残しておくと役立つ記録
デメリット5:退職のタイミングで損得が変わります
同じ自己都合退職でも、辞める月日によって手取りや給付の条件が変わることがあります。特に賞与の支給月やボーナス支給後の在籍要件、有給休暇の残日数、雇用保険の加入年数の区切りは、数日の差で結果が変わりかねない部分です。在職中の今なら調整できる余地があるため、退職日を決める前に一度整理しておくとよいでしょう。
月末退職と月初退職の違い
社会保険は退職日の翌日に資格を失う扱いとなるため、月末に辞めるか月の途中で辞めるかによって、その月の保険料の負担先が変わることがあります。どちらが有利かは給与額や次の就職予定によって異なるので、勤務先の担当部署に確認してみるのが確実です。
有給消化と離職日の関係
有給休暇を消化してから退職すると、その期間も在籍扱いとなり給与が支払われます。結果として離職日が後ろにずれ、雇用保険の加入年数が一区切り進んだり、直近6か月の給与額が変わったりすることもあります。捨てずに使い切る方向で調整するのがおすすめです。
よくある質問
Q. 自己都合退職だと失業保険はまったくもらえないのですか?
A. もらえないわけではありません。雇用保険の加入期間などの要件を満たしていれば受給できますが、支給の開始までに給付制限期間が設けられる点が会社都合との主な違いになります。
Q. 退職前にハローワークへ相談してもよいのでしょうか?
A. 在職中でも制度についての一般的な相談は可能です。ただし受給の申請そのものは離職票が交付されてからになるため、退職前は「自分の場合はどうなりそうか」を確認する段階と考えておくとよいでしょう。
Q. 転職先が決まっている場合もデメリットはありますか?
A. すぐに就職する場合は失業給付の対象になりませんが、空白期間ができるなら保険や年金の切り替えが必要になります。条件によっては再就職手当の対象になることもあるため、窓口で確認してみてください。
Q. 会社都合にしてもらうよう会社に頼めますか?
A. 離職理由は実際の事情に基づいて記載されるものなので、話し合いの余地はあっても希望どおりになるとは限りません。事実と異なると感じる場合は、ハローワークに事情を申し出る方法があります。
まとめ:自己都合退職のデメリットで押さえるべき3つのポイント
入金までの時間差が最大のリスクです。給付制限があるぶん無収入期間が長くなりやすいので、生活費の見通しを先に立てておきましょう。
保険料と住民税の自己負担を忘れずに。軽減措置の対象外になることが多いため、退職前に概算を出しておくと安心です。
扱いが変わる可能性を確認することが大切です。事情によっては給付制限が付かない場合もあるため、記録を残して窓口に相談してみてください。
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この記事の監修Carrer Beauty 編集チーム
失業保険・退職給付・公的制度をテーマにした解説コンテンツを制作。FP有資格者のチェックを受けながら、実際の手続き現場で使われている資料や公的サイトを参照し、読者が「自分で手続きできる」レベルまで落とし込むことを目指しています。