失業保険コラムColumn

給与が下がった・未払いで退職するとき失業保険は会社都合になる?

「給料が急に下がったし、先月分もまだ振り込まれていない。このまま辞めたら失業保険はどうなるの?」と不安を抱えながら働いている方は少なくありません。

失業保険では、賃金が大幅に下がったことや、賃金が支払われないことを理由に辞めた場合、自己都合ではなく会社都合に近い「特定受給資格者」と判断されることがあります。判断するのはハローワークで、在職中に残した記録が大きな手がかりになります。

この記事では、給与の低下や未払いで退職を考えている方に向けて、会社都合と判断される目安、辞める前に残しておきたい記録、離職理由の確認ポイントを解説します。

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結論:給与の低下や未払いは会社都合と判断されることがある

給与が大きく下がった場合や、給料が期日どおりに支払われない場合に退職し、ハローワークが「特定受給資格者」と判断すれば、自己都合退職より有利な条件で失業保険を受け取れることがあります。自己都合で辞めると、一定の期間は給付を受けられない「給付制限」がかかることがあります。特定受給資格者には原則としてこの制限がなく、給付を受けられる日数(所定給付日数)が長くなる場合もあります。

ただし、自動的に会社都合になるわけではありません。退職前に事実を裏付ける資料をそろえておくことが大切です。

📌 確認したいポイント

給与がどの程度・いつから下がったのか
未払い・遅配が何か月続いているか
事実を示す給与明細や振込履歴が手元にあるか

ハローワークが確認する賃金の目安

どのような場合に特定受給資格者となるかは、厚生労働省が判断基準として公表しています。賃金に関する区分は、大きく「賃金の低下」と「賃金の未払い・遅配」の2つです。代表的な目安を表にまとめました。

📊 賃金に関する特定受給資格者の主な目安

区分 公表されている主な目安
賃金の低下 賃金が以前の85%未満に下がった(下がることが決まった)ために離職した場合
賃金の未払い 賃金の3分の1を超える額が支払期日までに支払われない月が、一定期間続いたり繰り返されたりした場合

※基準値や期間は目安で、制度改正で変わることがあります。最新情報はハローワークまたは厚生労働省の公表資料でご確認ください。

どちらの区分も、比べる期間の取り方などに細かな条件があります。表の内容に当てはまりそうでも、最終的にはハローワークが個別の事情をふまえて判断します。

⚠️ 注意:賃金の低下は、本人が事前に予測できなかった場合に限られるとされています。歩合給や業績連動など、もともと変動することになっていた給与の減少は、対象外と判断されることがあります。

「低下」と「未払い」で確認されることは違う

同じ給与のトラブルでも、低下と未払いでは確認されるポイントが異なります。自分がどちらに近いのかを整理しておくと、準備すべき資料がはっきりします。

給与が下がったケース

基本給の減額や手当の廃止などで、手取りではなく賃金の総額が以前と比べてどれだけ下がったかが確認されることがあります。いつ、どのような説明で減額されたのか、本人が同意したのかも整理しておくと安心です。残業代が増えたり減ったりしただけの場合は、低下とみなされにくいことがあります。

給与が未払い・遅配のケース

本来の支払日に、どれだけの額が支払われなかったのかが重要です。一部だけ振り込まれた場合でも、足りない額の割合によっては対象になることがあります。

📌 未払いがあるときに整理しておくこと

会社が決めている本来の給与支払日
実際に振り込まれた日付と金額
未払い・遅配があった月の数と頻度

なお、未払いの賃金そのものは、会社への請求や労働基準監督署への申告といった方法で取り戻せる可能性もあります。

辞める前に残しておきたい賃金の記録

退職後に資料を集めようとしても、社内システムにログインできなくなったり、会社が対応してくれなかったりすることがあります。在職中のうちに、次の順番で記録を手元に残しておくのがおすすめです。

📋 在職中に集めておく記録

1
給与明細:下がる前と後を比べられるよう、できるだけ長い期間の分を保存する
2
雇用契約書・労働条件通知書:本来の賃金額と支払日を確認する
3
賃金改定の通知:減額を知らせる書面やメール、社内の掲示を保存する
4
振込履歴:通帳のコピーやネットバンキングの画面で、入金日と金額を残す

紙で受け取った資料はスマートフォンで撮影し、データでも保管しておくとなくしたときに備えられます。会社の機密情報にあたる資料は持ち出さず、自分の賃金に関するものだけにすることが大切です。

離職票に書かれた離職理由は必ず確認を

退職すると、会社から離職票が交付されます。ここに書かれた離職理由が「自己都合」になっていても、それだけで扱いが決まるわけではありません。ハローワークでの手続きの際に異議を申し立てれば、提出した資料をもとに改めて判断されることがあります。

⚠️ 重要:退職届に「一身上の都合」と書くよう求められることがあります。そう書いたから必ず不利になるとは限りませんが、本当の理由をメモに残しておき、離職票を受け取ったらすぐに内容を確認すると安心です。

いつ辞めるかも大事なポイントです。給与の低下や未払いが起きてから時間が経ちすぎると、それが退職の理由だと説明しにくくなることがあります。

💡 離職票を受け取ったら見ておくこと

離職理由の欄に会社が書いた内容
賃金の欄の金額が給与明細と合っているか
本人が書く欄で異議があるかどうかを選べるか

ハラスメントや長時間労働など、賃金以外の退職理由は別の記事で扱うテーマです。

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よくある質問

Q. 手取りが減っただけでも対象になりますか?

A. 社会保険料や税金が変わって手取りが減っただけなら、対象になりにくいことがあります。賃金そのものがどれだけ下がったかを、給与明細で確認してみてください。

Q. 減額に同意してしまった場合はどうなりますか?

A. 同意したかどうかやその経緯によって、判断が変わることがあります。どのような説明を受けたかを記録しておき、ハローワークで事情を伝えるのがおすすめです。

Q. 遅れてでも給与が振り込まれていれば対象外ですか?

A. 支払期日までに支払われなかったという事実が重視されるため、あとから振り込まれても対象になる可能性があります。支払期日と実際の入金日を記録しておきましょう。

Q. 会社が自己都合と書いたら、もう変えられませんか?

A. 離職票の内容に異議を申し立てることができ、ハローワークが資料をもとに判断します。会社が書いた内容だけで決まるわけではないので、記録をそろえておくことが大切です。

まとめ:給与の低下や未払いで辞める前に押さえるべき3つのポイント

給与の低下や未払いは、状況によって会社都合に近い扱いになることがあります。辞める前に、次の3点を意識しておきましょう。

1
目安を確認する:85%未満に下がったか、未払いがどれだけ続いているかなど、公表されている区分に近いかを整理する
2
在職中に記録を残す:給与明細・雇用契約書・賃金改定の通知・振込履歴を手元にそろえる
3
離職理由を確認する:離職票の内容が事実と違っていたら、ハローワークで異議を伝える

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この記事の監修Carrer Beauty 編集チーム

失業保険・退職給付・公的制度をテーマにした解説コンテンツを制作。FP有資格者のチェックを受けながら、実際の手続き現場で使われている資料や公的サイトを参照し、読者が「自分で手続きできる」レベルまで落とし込むことを目指しています。

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