失業保険コラムColumn
2026.09.17
介護離職を決める前に|介護休業給付金と失業保険の基本を解説
「親の介護が始まって、このまま仕事を続けられるか分からない」——そんな不安を抱えたまま、退職を考え始める方は少なくありません。介護は先の見通しが立ちにくく、いつまで続くのかも分からないため、判断を急いでしまいがちです。
ただ、介護を理由に仕事を離れる前に使える制度があり、介護休業を取得すると雇用保険から介護休業給付金が支給されることがあります。働き方を変えて続けられるなら、収入も職場も手放さずに済むこともあります。
この記事では、辞めずに済ませる選択肢を先に整理したうえで、それでも退職を選ぶ場合に失業保険がどう扱われるのか、退職後は何から動けばよいのかを順番に解説します。判断を急ぐ前に、確認できることから整理していきましょう。
退職を決める前に、受給対象かどうかを確かめておきたい方へ
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目次
結論:辞める前に、勤務先で使える両立支援制度を確認するのがおすすめです
介護を理由に退職を考えたとき、先に確認しておきたいのは勤務先で使える両立支援制度です。介護休業を取得して要件を満たした場合、雇用保険から賃金のおおむね67%相当が支給されるとされており、収入をある程度保ちながら介護の体制を整えられることがあります。そのうえで両立が難しい場合は、介護を理由とする離職が特定理由離職者として扱われる可能性もあります。制度が先、失業保険が後、という順番で考えてみてください。
📌 辞める前に確認したいポイント
介護と仕事を両立するための制度を先に確認する
介護が始まったとき、最初の行動としておすすめしたいのは、勤務先の人事や総務に制度の有無を確かめることです。就業規則に記載があっても社内で案内されていないことがあり、自分から尋ねて初めて分かることも少なくありません。
介護休業と介護休業給付金
介護休業は、対象家族の介護のためにまとまった期間休むための制度です。要件を満たすと雇用保険から介護休業給付金が支給され、賃金のおおむね67%相当が受け取れるとされています。対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できるとされています。
⚠️ 注意:介護休業給付金の支給率や日数、要件は改定されることがあります。実際に利用する際は、勤務先またはハローワークで最新の内容をご確認ください。
介護休暇・短時間勤務という選択肢
まとまった休みまでは必要ない場合には、1日や時間単位で取得できる介護休暇、短時間勤務や時差出勤といった制度が用意されていることもあります。組み合わせれば、退職せずに介護と仕事を続けられる可能性が広がります。
働き続ける場合と退職する場合を並べて比べる
どちらを選ぶかは、収入の見通しと元の職場に戻れるかどうかで大きく変わってきます。感覚で決めてしまう前に、主な違いを並べて確認してみましょう。
📊 介護休業で働き続ける場合と退職する場合の違い
| 項目 | 介護休業を使って働き続ける場合 | 退職する場合 |
|---|---|---|
| 収入の柱 | 介護休業給付金(賃金のおおむね67%相当) | 失業保険の基本手当 |
| 期間の目安 | 対象家族1人につき通算93日まで | 所定給付日数の範囲内 |
| 元の職場に戻れるか | 原則として復職が前提 | 戻る前提ではない |
| 社会保険料の扱い | 休業中も被保険者のまま | 国民健康保険・国民年金への切替が必要 |
| 主な窓口 | 勤務先の人事・総務 | ハローワーク |
※制度の要件や支給割合は改定されることがあります。あくまで目安です。
介護の期間が読めないうちは、まず休業で様子を見て、それでも難しければ退職を検討するという進め方もあります。復職できる場所を残しておけるかどうかは、後から効いてくる判断材料です。
退職を選ぶ場合、失業保険はどう扱われる?
自己都合で退職すると、通常は給付制限期間があり、受け取り始めるまでに時間がかかることがあります。ただし家族の介護を理由に離職した場合は、特定理由離職者に該当し、給付制限がつかない扱いになる可能性があります。該当するかどうかはハローワークが個別に判断するため、事前に断定はできませんが、確認しておく価値はあります。
⚠️ 重要:離職票に記載される離職理由が実際と違っていると、扱いが変わってしまうことがあります。介護が理由であることを勤務先に伝え、記載内容を退職前に確認しておくと安心です。
📌 離職の前後にそろえておきたいもの
特定理由離職者の認定基準そのものを詳しく知りたい方は、「特定理由離職者とは?認定基準と申請方法を解説」の記事もあわせてご覧ください。
退職後は何から動けばよいか
退職後は、失業保険の手続きと、健康保険・年金の切り替えを並行して進めることになります。介護の予定と重なって後回しになりやすいため、先に順番を決めておくと動きやすくなります。
📋 退職後に進めたい手続きの順番
離職票が届いたら、住所地のハローワークで求職の申込みと受給資格の決定を受けます
介護が離職の理由であることを窓口で伝え、扱いを確認します
健康保険は任意継続か国民健康保険かを比べ、国民年金の手続きもあわせて行います
介護に時間を取られてすぐに求職活動ができない場合は、受給期間そのものを延長できる制度があります。詳しい条件や手続きは「失業保険の受給期間は延長できる?病気・出産・介護の条件と手続き」で解説しています。
⚠️ 注意:受給期間の延長や健康保険の切り替えには期限が設けられているため、退職後は早めに動いておくと安心です。
よくある質問
Q. 介護休業給付金と失業保険は同時に受け取れますか?
A. 介護休業中は在職中の扱いとなるため、失業保険の基本手当の対象にはなりません。まずは介護休業を利用し、退職後に失業保険を検討する流れが一般的です。
Q. 介護を理由に退職すれば必ず給付制限がなくなりますか?
A. 必ずとは言えません。特定理由離職者に該当するかは、ハローワークが個別に判断します。介護の状況や離職票の記載内容によって結果が変わることがあるため、窓口でご確認ください。
Q. 介護休業を取ると職場に戻りにくくなりませんか?
A. 介護休業は復職を前提とした制度で、取得を理由とする不利益な扱いは禁じられているとされています。休業中の連絡方法や復帰の見通しを事前に共有しておくと安心です。
Q. 退職前に確認しておくべきことは何ですか?
A. 勤務先で使える制度の有無、介護休業給付金の要件を満たすかどうか、退職した場合に受け取れる失業保険の目安の3点です。数字が見えると、退職以外の選択肢も比べやすくなります。
まとめ:介護離職を決める前に押さえるべき3つのポイント
最後に、退職を決める前の流れを整理します。
まず勤務先の制度を確認する/介護休業や介護休暇、短時間勤務が使えれば、辞めずに続けられる可能性があります
介護休業給付金の要件を確かめる/賃金のおおむね67%相当とされ、収入を保ちながら体制を整えられることがあります
退職する場合は離職理由を確認する/特定理由離職者に該当する可能性があるため、窓口での確認が大切です
この記事の監修Carrer Beauty 編集チーム
失業保険・退職給付・公的制度をテーマにした解説コンテンツを制作。FP有資格者のチェックを受けながら、実際の手続き現場で使われている資料や公的サイトを参照し、読者が「自分で手続きできる」レベルまで落とし込むことを目指しています。