失業保険コラムColumn
2026.09.05
失業保険に確定申告は必要?還付を受けられるケースと手続き
「失業保険をもらったけれど、これって確定申告しないといけないの?」退職後の手続きが一段落したころ、ふとそんな不安がよぎる方は少なくありません。申告漏れで後から指摘されたら、と心配になりますよね。
結論からお伝えすると、雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)は非課税で、確定申告の対象にはなりません。ただし、年の途中で退職して年末調整を受けていない場合などは、確定申告をすることで納めすぎた所得税が還付されることがあります。
この記事では、失業保険と確定申告の関係、申告が必要・有利になるケースの見分け方、還付が生じる仕組み、必要書類までを順に解説します。ご自身がどのケースに当てはまるかを確認しながら読み進めてみてください。
目次
結論:失業保険は非課税、申告するのは「給与などの所得」です
失業保険の基本手当は、生活の再建と再就職を支えるための給付という性質から非課税とされています。そのため受給額を収入として申告する必要はなく、金額がいくらであっても税金はかかりません。確定申告で扱うのは、あくまで退職までに受け取った給与や退職金、副業収入といった課税対象の所得です。
その一方で、年の途中で退職した方は年末調整を受けていないことが多く、所得税を納めすぎたままになっている場合があります。この払いすぎ分は、確定申告をすることで戻ってくることがあります。
📌 まず整理したい3つのポイント
確定申告が必要・有利になるケースを見分ける
同じ「失業保険を受給した方」でも、その年の働き方によって申告の要否は変わります。判断の軸になるのは、年末時点で年末調整を受けているかどうかです。年末調整は1年分の所得税を精算する手続きなので、これを受けていれば基本的に精算は済んでいると考えられます。
年内に再就職しなかった場合
退職後そのまま年を越した方は、年末調整の機会がないまま終わっています。この場合は確定申告をすることで還付を受けられる可能性が高く、申告しておくのがおすすめです。
年内に再就職した場合
再就職先に前職の源泉徴収票を提出して年末調整を受けていれば、あらためて申告する必要はないことが一般的です。ただし提出が間に合わなかったときは、ご自身での申告が必要になることがあります。
📊 ケース別の確定申告の要否
| ケース | 確定申告 | 理由・ポイント |
|---|---|---|
| 年の途中で退職し再就職なし | した方が得 | 年末調整を受けておらず還付の可能性 |
| 再就職し年末調整済み | 原則不要 | 勤務先で精算が済んでいる |
| 退職金を受け取った | 原則不要 | 申告書を提出済みなら源泉徴収で完結 |
| 副業・業務委託収入がある | 必要なことが多い | 所得の額により申告義務が生じる |
※自治体・控除内容・家族構成により変動します。あくまで目安です。
還付が受けられるのはなぜ?仕組みを知る
毎月の給与から天引きされる所得税は、「1年間この給与が続く」という前提で計算された概算額です。年の途中で退職すると実際の年収はその前提より少なくなるため、天引きされた合計額が本来の税額を上回りやすくなります。この差額が還付の正体です。
たとえば月給30万円の方が6月末に退職し、その後の収入が失業保険だけだったとします。給与収入は半年分にとどまる一方、基礎控除や社会保険料控除は1年分が使えるため、課税所得は想定より小さくなります。結果として、源泉徴収された所得税の一部が戻ってくることがあります。
⚠️ 注意:還付額は収入や控除の内容によって大きく変わります。数千円のこともあれば数万円になることもあり、ここで挙げた例もあくまで目安とお考えください。
なお、確定申告の内容は翌年度の住民税の計算にも反映されます。控除をきちんと申告しておくことは、翌年の負担を考えるうえでも意味があります。
申告に必要な書類をそろえる
確定申告でつまずきやすいのが書類集めです。特に源泉徴収票は退職後しばらくしてから郵送されることもあるため、手元にあるか早めに確認しておくと安心です。見当たらない場合は、前の勤務先に再発行を依頼できます。
📋 準備しておきたい書類
源泉徴収票/退職した勤務先から交付されるもの
国民年金・国民健康保険の支払額がわかる書類/控除証明書や領収書
生命保険料・地震保険料の控除証明書/秋ごろに届くハガキ
マイナンバー確認書類と振込先口座/還付金の受取に使います
⚠️ 重要:退職後にご自身で納めた国民年金保険料・国民健康保険料は社会保険料控除の対象になります。源泉徴収票には載らないため、申告し忘れると還付額が減ってしまうことがあります。
自分がいくら受け取れるのか、金額の目安を知っておきたい方へ
給付日額や日数は、退職前の賃金や年齢によって一人ひとり異なります。いくらもらえるかLINEで無料診断できます。
申告の進め方と気をつけたいこと
還付を受けるための申告は、確定申告の期間を待たずに年明けから提出できるとされています。会場の混雑を避けたい方は早めの手続きが向いています。国税庁の作成コーナーを使えば、画面の案内に沿って金額を入力するだけで書類が整うため、初めての方でも進めやすいでしょう。
💡 申告前に確認しておくと安心なこと
還付金は申告後しばらくして指定口座に振り込まれます。時期は提出方法や時期によって変わるため、余裕を持って待つとよいでしょう。判断に迷う点があるときは、お住まいの地域を管轄する税務署に確認すると確実です。
よくある質問
Q. 失業保険を受け取ると扶養から外れますか?
A. 税法上の扶養では非課税のため所得に含まれませんが、健康保険の扶養では日額の基準で判定されることがあります。加入先の健康保険組合にご確認ください。
Q. 申告しないと何か不利になりますか?
A. 還付のための申告は義務ではないため罰則はありません。ただ、戻るはずのお金を受け取らないままになる可能性があります。
Q. 再就職手当も申告は不要ですか?
A. 再就職手当も雇用保険の給付にあたり、基本手当と同じく非課税として扱われます。収入として申告する必要はないとされています。
Q. 源泉徴収票が届かないときはどうすればよいですか?
A. まず前の勤務先に再発行を依頼してみましょう。応じてもらえない場合は、税務署に相談する方法もあります。
まとめ:失業保険と確定申告で押さえるべき3つのポイント
失業保険は非課税/受給額を申告する必要はありません。
年末調整の有無が分かれ道/受けていなければ還付の可能性があります。
自分で払った保険料を忘れずに/国民年金・国保は控除対象です。
受給の見込みをまだ確かめていない方へ
条件に当てはまるか、どのくらいの期間受け取れるかは、いくつかの質問に答えるだけで確認できます。いくらもらえるかLINEで無料診断できます。
この記事の監修Carrer Beauty 編集チーム
失業保険・退職給付・公的制度をテーマにした解説コンテンツを制作。FP有資格者のチェックを受けながら、実際の手続き現場で使われている資料や公的サイトを参照し、読者が「自分で手続きできる」レベルまで落とし込むことを目指しています。