失業保険コラムColumn
2026.10.07
試用期間中に辞めても失業保険はもらえる?被保険者期間の数え方
「入社して3か月で辞めたいけれど、失業保険はもらえないのでしょうか」。試用期間中や入社まもなくの退職を考えるとき、収入が途切れる不安は大きいものです。
失業保険(雇用保険の基本手当)を受け取るには、離職日までに一定の「被保険者期間」があることが条件になります。ここで見落とされやすいのが、前職の加入期間を通算できる場合があるという点と、試用期間中でも雇用保険に加入していれば期間に含まれるという点です。今の会社での在籍月数だけで判断して、受給をあきらめてしまう方は少なくありません。
この記事では、入社して日が浅い方が被保険者期間を満たせるかどうかに絞って、離職理由別の必要期間、月数の数え方、前職との通算条件、そして辞める前に確認しておきたいことを解説します。
自分が受給対象になるのか、辞める前に確かめておきたい方へ
勤続月数が短くても、前職との通算で条件を満たすケースがあります。いくらもらえるかLINEで無料診断できます。
目次
結論:数か月での退職でも、前職との通算で受給できることがあります
今の会社での在籍が数か月であっても、過去に雇用保険に加入していた期間が残っていれば通算され、条件を満たすことがあります。逆に、社会人として初めての就職で前職の期間がない場合は、自己都合退職だと期間が足りないケースが多くなります。まずは「自分にどれだけの期間が積み上がっているか」を把握することが出発点です。
📌 辞める前に確認したいポイント
離職理由で必要な被保険者期間は変わります
必要な期間は、離職理由によって区分されています。自己都合退職の場合は離職日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上、会社都合(特定受給資格者)や特定理由離職者に該当する場合は離職日以前1年間に通算6か月以上が目安とされています。入社から数か月での退職では、この差が結果を大きく分けることがあります。
📊 離職理由別に必要な被保険者期間の目安
| 離職理由 | 必要な期間 | 数え方の注意 |
|---|---|---|
| 自己都合退職 | 離職日以前2年間に通算12か月以上 | 2年の枠の外にある古い期間は数えられないことがあります |
| 会社都合(特定受給資格者) | 離職日以前1年間に通算6か月以上 | 該当するかは離職票の離職理由をもとに判断されます |
| 特定理由離職者 | 離職日以前1年間に通算6か月以上 | 理由を裏づける書類を求められることがあります |
※制度改正や個別事情により変動します。あくまで目安です。
自分がどの区分になるかは、最終的にハローワークが離職票などをもとに判断します。自己判断で「自分は会社都合だから6か月で足りる」と考えるのは避け、該当しそうな事情があれば記録を残しておくと安心です。
被保険者期間の「1か月」の数え方
被保険者期間は、在籍した暦月をそのまま数えるわけではありません。離職日からさかのぼって1か月ごとに区切り、その期間に賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある月を1か月として数えるのが基本的な考え方とされています。日数が足りない月は、労働時間数で判定される扱いもあります。
月の途中で入社・退職した場合
入社日や退職日が月の途中だと、区切りの関係で最後の端数期間が1か月として数えられないことがあります。「ちょうど6か月勤めたはず」でも、1か月分届かないと判定される可能性があるため、余裕を持って考えておくのがおすすめです。
欠勤や休職があった場合
欠勤が多い月や無給の休職期間がある月は、賃金の支払いが生じた日数が少なくなり、1か月として数えられないことがあります。体調などの事情で休みが続いている方は、この点も踏まえて確認しておくとよいでしょう。
⚠️ 注意:日数の基準や判定方法は制度改正で変わることがあります。ご自身の月数が条件を満たすかどうかは、必ずハローワークや厚生労働省の公表資料で最新の内容をご確認ください。
前職の被保険者期間を通算できる場合があります
勤続が短くても、前職で雇用保険に加入していた期間が通算できれば条件を満たすことがあります。ただし通算にはいくつか前提があり、前職の離職時に基本手当を受給していないこと、前職の離職から次の就職までの空白期間が一定の長さを超えていないことなどが関わってきます。空白が長いと通算できなくなることがあるため、転職までの間隔は重要な確認事項です。
📌 通算の可否を調べるために役立つ書類
書類が見つからない場合も、被保険者番号やマイナンバーからハローワークで加入履歴を確認できることがあります。なお、受給できる金額や給付日数の計算は別の記事で扱うテーマです。
試用期間中の雇用保険の加入状況を確認しましょう
「試用期間だから雇用保険に入っていないのでは」と心配される方がいますが、試用期間であっても加入要件を満たしていれば被保険者となり、その期間は被保険者期間に含まれるのが原則です。試用期間という呼び方そのものが、期間の計算から外れる理由になるわけではありません。
まず確かめたいのは、給与明細に雇用保険料の控除があるかどうかです。控除がない場合は、加入手続きがされていない可能性があります。
📋 加入状況を確かめる手順
入社後すべての給与明細で、雇用保険料の控除欄を確認します
控除がなければ、勤務先に加入手続きの状況を確認します
はっきりしないときは、ハローワークで加入記録を照会します
⚠️ 重要:未加入のまま退職すると、本来数えられる期間が記録に残らないおそれがあります。在職中に気づいた段階で確認しておくほうが、辞めたあとに動くより進めやすいことがあります。
退職を決める前に、いくら受け取れるのか把握しておきたい方へ
被保険者期間が条件に届くかどうかは、質問に答えるだけで目安が分かります。いくらもらえるかLINEで無料診断できます。
よくある質問
Q. 新卒で入社し、3か月で自己都合退職したら受給できませんか。
A. 前職の加入期間がない場合、自己都合では必要な通算12か月に届かないことが多いと考えられます。学生時代のアルバイトで加入していた期間があれば通算の対象になる可能性もあるため、ハローワークで記録を確認してみてください。
Q. 前職で失業保険を受け取った期間も通算できますか。
A. 過去に基本手当を受給していると、それ以前の期間はリセットされ通算できない扱いになるのが一般的です。受給せずに再就職した場合は通算できることがありますので、個別の可否はハローワークで確認するのが確実です。
Q. 試用期間中に会社から辞めてほしいと言われた場合はどうなりますか。
A. 会社側の事情による退職と判断されれば、必要な期間が短い区分で扱われる可能性があります。やりとりの日付や内容を記録に残し、離職票の離職理由が実際と合っているかを確認しておくとよいでしょう。
Q. 前職を辞めてからの空白期間はどのくらいまで通算できますか。
A. 空白が一定を超えると通算できなくなりますが、基準は状況により異なり断定できません。前職の退職日と今の会社の入社日を伝えて、ハローワークに判断してもらうのが確実です。
まとめ:辞める前に押さえるべき3つのポイント
雇用保険の加入状況を確認する:給与明細の控除欄を見て、試用期間中も加入しているかを在職中に確かめます。
前職の書類をそろえる:離職票や雇用保険被保険者証を探し、見つからなければ再発行や照会の方法を調べておきます。
通算できる期間を数えておく:離職理由の区分と月数の数え方を踏まえ、条件に届くかを退職日を決める前に確認します。
ここで触れた期間や基準は目安であり、制度改正で変わることがあります。最終的な可否はハローワークが判断しますので、最新の情報を確かめたうえで退職の時期を考えてみてください。
勤続が短い自分でも受給対象になるのか知っておきたい方へ
退職日を決めてしまう前に、受給の見込みと金額の目安を確かめておくと判断しやすくなります。いくらもらえるかLINEで無料診断できます。
この記事の監修Carrer Beauty 編集チーム
失業保険・退職給付・公的制度をテーマにした解説コンテンツを制作。FP有資格者のチェックを受けながら、実際の手続き現場で使われている資料や公的サイトを参照し、読者が「自分で手続きできる」レベルまで落とし込むことを目指しています。