失業保険コラムColumn

失業保険と傷病手当金はどっちが得?受給条件と金額の違いを解説

「体調を崩して働けないけれど、失業保険と傷病手当金、どちらを選べばいいの?」退職を考えている方から、こうした声をよく聞きます。名前は聞いたことがあっても、両者の違いまでは分からないという方がほとんどです。

この2つは、そもそも目的がまったく違う制度です。失業保険(基本手当)は「働ける状態で就職活動をする人」への給付、傷病手当金は「病気やケガで働けない人」への給付にあたります。同時に受け取ることは原則できませんが、順番に受け取れる場合もあります。

この記事では、失業保険と傷病手当金のどちらが金額面で有利になりやすいのか、受給条件の違い、退職前に確認しておきたい手続きのポイントまで、順を追って解説します。

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結論:働けない状態なら傷病手当金が有利になりやすい

先に結論をお伝えすると、病気やケガで働けない状態にある方は、まず傷病手当金を受け取り、回復してから失業保険に切り替える流れが有利になることが多いといわれています。傷病手当金は最長1年6か月を上限に支給される一方、失業保険の給付日数は在職期間や退職理由によって決まるためです。ただし、どちらが得かは加入状況や退職理由によって変わることがありますので、ご自身の条件を整理することが第一歩になります。

📌 確認したいポイント

現在働ける状態かどうか(就労可否が制度選択の分かれ目になります)
健康保険の被保険者期間が継続1年以上あるか
雇用保険の加入期間と退職理由(自己都合か会社都合か)
在職中に連続3日以上の休みがあったかどうか

失業保険と傷病手当金の金額はどう違う?

気になるのは、実際に受け取れる金額の差ではないでしょうか。傷病手当金は標準報酬月額をもとに、おおむね給与の3分の2程度が支給される仕組みです。一方の失業保険は、退職前6か月の賃金をもとに算出され、給与のおよそ5割から8割の範囲で決まることが一般的です。賃金が低い方ほど給付率が高くなる傾向があります。

📊 2つの制度の主な違い

項目 失業保険 傷病手当金
対象となる状態 働ける・求職中 働けない
金額の目安 賃金の約5〜8割 給与の約3分の2
支給の上限 給付日数による 通算1年6か月
窓口 ハローワーク 健康保険組合など

※自治体・控除内容・家族構成により変動します。あくまで目安です。

支給期間の長さまで含めて考えると、総受給額では傷病手当金のほうが大きくなるケースも見られます。

どちらを選ぶべき?状況別の考え方

どちらが得かは、退職時点の体調によって答えが変わってきます。ここでは代表的な2つのケースに分けて整理します。

働けない状態が続いている場合

療養が必要で就職活動ができない状態であれば、失業保険の受給要件を満たさないことがあります。この場合はまず傷病手当金を申請し、体調が戻ってから失業保険に移る流れが現実的です。退職後も継続して受給できる条件が整っていれば、途切れずに受け取れることがあります。

すでに働ける状態に回復している場合

就職活動ができる状態まで回復しているなら、失業保険の対象となります。傷病手当金は「働けないこと」が前提のため、回復後は支給が止まります。回復のタイミングを医師と共有し、切り替え時期を見極めておくと安心です。

⚠️ 注意:両方を同じ期間に受け取ることはできません。重複して受給した場合、後から返還を求められることがありますのでご注意ください。

退職前に済ませておきたい準備

傷病手当金を退職後も受け取るには、在職中に満たしておくべき条件があるとされています。退職してからでは間に合わない手続きもあるため、辞める前の準備が結果を左右することがあります。

📋 辞める前に進めておきたい手順

1
健康保険の加入期間が継続して1年以上あるか確認する
2
医師に相談し、就労できない状態であることを記録に残す
3
退職日までに申請の開始手続きを済ませておく

⚠️ 重要:退職日に出勤してしまうと、退職後の継続給付が認められないことがあります。挨拶や荷物の引き取りも含め、扱いを事前に確認しておくと安心です。

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失業保険を後回しにする「受給期間の延長」とは

傷病手当金を先に受け取る場合、心配になるのが失業保険の期限です。失業保険は原則として退職の翌日から1年以内に受け取る決まりがあり、療養が長引くと期限が過ぎてしまう恐れがあります。そこで用意されているのが、受給期間の延長という手続きです。

📌 延長手続きで押さえたいこと

病気やケガで30日以上働けない状態が続くことが前提とされています
申請には期限が定められているため、早めの確認が安心です
手続き先は住まいを管轄するハローワークになります

この手続きをしておけば、療養が終わってから落ち着いて求職活動を始められます。傷病手当金と失業保険を無駄なく受け取るための橋渡しとして、覚えておきたい制度です。

よくある質問

Q. 傷病手当金と失業保険は同時にもらえますか?

A. 原則として同時受給はできません。前者は働けない方、後者は働ける方が対象のため、状態に応じてどちらか一方となります。

Q. 退職後に傷病手当金の申請を始めることはできますか?

A. 在職中に条件を満たしていない場合、退職後の新規申請は難しいことがあります。在職中の状況が判断材料になりますので、早めの確認をおすすめします。

Q. 自己都合で退職しても傷病手当金は受け取れますか?

A. 傷病手当金の判断基準は退職理由ではなく、働けない状態にあるかどうかです。自己都合退職でも条件を満たせば対象になることがあります。

Q. 傷病手当金が終わった後、失業保険に切り替えられますか?

A. 働ける状態に回復していれば切り替えられることがあります。受給期間の延長手続きを済ませておくと、移行がスムーズになります。

まとめ:失業保険と傷病手当金で押さえるべき3つのポイント

1
選択の軸は働けるかどうか。金額だけでなく、現在の体調が判断の起点になります。
2
順番に受け取る選択肢もある。傷病手当金の後に失業保険へ移る流れが有利になることがあります。
3
準備は退職前が肝心。加入期間や退職日の扱いを確認しておくと、受け取れる額が変わることがあります。

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この記事の監修Carrer Beauty 編集チーム

失業保険・退職給付・公的制度をテーマにした解説コンテンツを制作。FP有資格者のチェックを受けながら、実際の手続き現場で使われている資料や公的サイトを参照し、読者が「自分で手続きできる」レベルまで落とし込むことを目指しています。

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